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伝統芸能むさしの我夢之会 メールマガジン

第二十五号  2006/9/18

《華扇会感想》
9月6日(水)〜8日(金)国立劇場(大劇場)で3日間開催され、夜の部の
最後の番組として「投扇恋蝶枕」(なげおおぎこいのまとあて)を踊ってきました。

投扇興を題材にした作品でしたので、投扇興の
石橋俊彦さんに指導をお願いしました。
出演者全員かなりハマってしまい、踊りの稽古より夢中になって扇子を
投げていました。中でも七々扇花瑞王さんの熱意はかなりのもので、
高得点を上げるようになり本番の舞台でも、蝶(的)を倒して、枕(台)の
上に扇が乗る澪漂(みおつくし)を見事に達成!
舞台の上でも出演者一同大騒ぎの大喜び!となりました。

また久我山の扇子屋さん順扇堂のおやじさん、内田順久さんのご好意で、
親骨の長さ2メートル余りもある、超大型扇子をお借りして、舞台の上で開いて
見せました。客席から「ウ〜ワァー!」という歓声が湧き上がり効果満点!
より一層華やかな舞台となりました。
また「内田のオヤジが一心込めて 作り上げたる 超 大 扇!」と、セリフにも入れました。

肝心の踊りの方ですが、久々に白塗りの二枚目!やはり気持のいいものですね!
でも若旦那の役、この若旦那って役が結構難しい!現代には存在しない人種です。
遊ぶことしか考えないような気楽な男、女性には弱く、お酒に強く、
お洒落には細心の気配り、そんな人っていますよと思われるかもしれませんが、
現代ではそんな男でも一応なんらかの仕事をやっています。
若社長も遊んでばかりいては株主総会で追い出されてしまうでしょう。
私の友人の社長の息子は、普通の人よりも仕事をしています。
遊びが好きな人ほど仕事しています。ゴルフの好きなNさんも
経営にはかなりの努力をしていますし、Wさんは更なる発展を目標にITを活用!
大富豪のTさんも地域活動、Kさんは人の和を第一に仕事拡張!
Tさんは東京第一位の業績を上げるんだ!と言って講演会や勉強会に!
Aさんも仕事も遊びもマジメに一生懸命、地道な努力でお茶を売っては
夜な夜な酒を飲み、交友を広げています。
「ちゃらんぽらん」の人って結構いないものです。
落語の世界に出てくる「熊さん」「八っさん」「ご隠居さん」それに「若旦那」、
演じるのは難しいのです。踊っている時は二枚目の柔らかい動きをしていれば
いいのですが、歩き方とか座り方に「らしい風情」を出さなければなりません。
また挑戦したい役でした。

《たいこどんどん初日》
 9月6日〜22日 日本橋三越劇場
 9月26日〜10月9日 吉祥寺前進座劇場
前進座の三越劇場公演、華扇会と同じ日に初日の幕が上がりました。
これも若旦那が主役で、太鼓持ちとの珍道中のお話ですが、さすがに役者!
河原崎国太郎さんの若旦那は実に風情があって素晴らしいのです。
井上ひさしさん原作のお芝居なので とてもとても楽しい展開、振付の仕事で
参加しているのですが、一観客となってしまい笑いころげてしまいました。
吉祥寺の前進座でも、9月26日から公演されます。

《9月例会》
24日(日)朝10時30分 吉祥寺シアター稽古場で開催します。
テーマは「女形の魅力」です。
プロジェクターでビデオを上映したいと思ってシアターに問い合わせましたら、
プロジェクターより37インチの大型液晶テレビを使った方が便利です、と
言われました。一番嬉しい方法です。部屋を暗くしなくてもいいですし、
準備も簡単、資料ビデオも用意しやすいし豊富にあります。
舞台のビデオや、和っおどろいた!で上演した 化粧〜着付けの実演も
参考になるでしょう。楽しみです。

10月は藤間仁凰の企画で、弧の会作品「御柱祭」を特集します。
現在文化庁移動公演で北海道でこの「御柱祭」を踊っています。
初演以来 好評を受け続け、全国各地で公演しNHKでも放送されました。
苦労話や裏話など、これも画面を見ながらと考えています。

会員2000円 一般3000円

《リサイタル》
10月29日(日)3時 紀尾井ホール

久々のリサイタルに燃えています。
先日美術の碇山喬康さんと照明の北寄崎嵩さんがみえて
打ち合わせをしました。チラシも発注しましたし、
だんだん近づいてきたという感じになってきました。

「望空無我」
悲惨な子供の事件が多い昨今に、心を痛ませられる人も多いと思います。
その子供の声を 踊りとして一つの作品に仕上げたいと思います。
音楽は 囃子のみ、藤舎呂船師が作調をしてくださいます。
無我童子のイメージで 雅楽の笙とか龍笛を入れてくださるそうです。
出来上がりが楽しみです。

でも 無我童子ってご存知でしょうか?
インターネットで検索すると、人形屋さんのホームページで写真が出てきます。
金無垢の像と、青緑色の着物の像と二種類あります。
その表情が なんともいたいけない 心が洗われるほどの清々しい思いになります。
横山大観の絵でも取り上げられています。
踊りたくなった私の気持ちが理解していただけるものと思います。

しかしですね この私の顔では 無我童子の清らかなイメージとは程遠く、
いくら化粧してもちょっと弛み始めている顔面の皮膚、人間社会を59年間
見てしまった汚れた瞳、(その割には!と思っておりますが)とてもとても・・・
真面目な話、永遠の童子としての妖精的なイメージの為、能の面(おもて)を
お借りすることにしました。
幽玄の世界、永遠性、人間を超えた存在として最高の演出と思っています。
実に幸運なことに、友人というには光栄すぎるのですが、
梅若六郎さんが快くお許しくださり、すでにお借りしてあります。
とてもとても楽しみです。
http://gamunokai.com/cont/osirase/o061029.html

《ミクシイ》
今、テレビでミクシイが東証一部に上場したというニュース!
私も実は入会しています。友人が紹介してくれました。
ネットを通じて呼びかけをして交流を深めようというシステムです。
でも未だよく分からず 未だ始めていない状態です。
伝統芸能を呼びかけようという思いなのですが・・・
もうすぐ呼びかけを開始する予定です。
(藤間 仁章)
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