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伝統芸能むさしの我夢之会 メールマガジン

第二十七号  2006/11/23

☆★藤間仁章リサイタル★☆ 10月29日 紀尾井ホール

とにかく至福の一日でした。一日というより一ケ月!
ああでもない!こうでもない!と稽古の繰り返し。
「望空無我」の鼓の曲が出来て、ワクワクしながら
テープを何回も何回も聴き入っている内に、
どんどん構想が湧き出てきました。
藤舎呂船師の作調してくださった曲が、導いてくれるのです。
初めの構想は、蝶と戯れる童子とか、星空に遊ぶ童子とか、
自然と触れ合う童子だっただけなのが、母に甘える童子、
悪戯盛りの童子とか、より鮮明なイメージが湧いてきました。
不思議なことです。素晴らしい作調です。
(作調というのは、鼓や囃子の作曲の事です。)
梅若六郎さんにお借りした能面も、意外と自由に動けるものでした。
もっと視野が狭く、窮屈な感じがするのではと心配でしたが、
むしろ顔を隠していることで、思いっきり童心になれるのです。
無理なく、ス〜ッと 出来上がってゆきました。

「雨」は今回で7回目ということもあって、ゆとりのようなものも
正直ありました。連日汗だくの猛稽古ということではありません。
今回の狙いは、無駄なものをいかに省くかということです。
一つの例が、夜鷹のゴザです。夜鷹には欠かせないゴザですが、
持っているつもりが、どこまで伝わるか?
またゴザの存在を主張しなくても夜鷹が表現できれば!ということなのです。
徳が斬られて絶命するところでも「ギャオー!」という断末魔の演技は、
演じる者にはちょっと美味しい見せ場、でも今回は、扇子をバサッと
開くだけにしました。そこに北寄崎嵩さんの照明が
絶命を表現してくれると信じて。それが・・・その通り!でした。
スタッフとの信頼感、これは長い間の培ったものですが、
素晴らしいスタッフに囲まれて! 至福の時間と空間でした。

☆★大の字のススメ★☆
皆様に「大の字」をおすすめします。
リサイタルの稽古のあるとき、疲れた〜と大の字になって20分!
起き上がったら、それが今までの自分と違った伸び伸びとした背筋
爽やかな爽快感、目元もスッキリしたような心地よさ、
60畳くらいの広い部屋を一人の稽古の為に借りていたのです。
約束した美術の碇山喬康が見える時間には、まだ30分、
エ〜イ この広い部屋で思いっきり「大の字」になってやれ〜!
と、20分間 座禅のように集中して不動の「大の字」
それもちょっと両足を幾分開き気味、絶対気持ち良くなります。
無駄な時間、無駄な空間、無駄な行動、無駄っていいですよ。
「駄」の字って駄作とか、駄洒落とか、駄馬とか、いい意味ではないように
思われていまが、悪い意味ばかりではないようで、難しい漢字だそうです。
「太」の字はいい意味が多く含まれます。太子とかいいますよね。
太った馬は、早く走れないから価値が無い!のでしょうかね。
馬は走るばかりじゃないですよ!馬力があるのも馬の価値!
スマートなばかりがすばらしい事じゃありませんよ!
スマートじゃない体型でも、スマートじゃない生き方でも、
いいことにしちゃいましょうよ! (俺、何言ってんだろ・・・)

☆★亜細亜大学の講演★☆
「地域コミュニテイと芸術文化」というテーマで、亜細亜大学の教壇に
立ったのです。
大学は二ヶ月で中退の自分ですので、いいのかなと思いつつ、
楽しんじゃいました。
難しいことは言えませんから、駄洒落は、想像力・連想力・独創力・
現状認識・そして主観的発想から客観的表現に・・・・・とか
なんだかんだと、

☆★秋田藤扇会★☆ 11月12日
佳花(倅仁凰の嫁さん)の実家、お母さまの藤間寿々穂さん主催の舞踊会が
秋田県大仙市大曲で開催され、一家をあげての応援に行ってきました。
私は小鍛冶の霊狐、お夏狂乱の馬子、
仁凰は吉野山の忠信、正札附の曽我五郎、
朝8時から玄関にはお客様の行列が始まります。
本格的な日本舞踊の会は珍しいので客席は超満員です。
あまり催し物が多かったり、忙しない生活をしている東京の人間は
気持ちにもゆとりが欠けてしまうなあ・・・と感じてきました。
なにしろ町の中から、四方の山々が見えるのです。空が大きいのです。
でもです。悲しいことに身体に悪い物が食べたくなってしまい、
夜中に肉をいっぱい買って鉄板焼き、コーラをガブ飲みして夜更かし、
これで体中に活力が出てくるのですから、悲しい習慣かもしれません。

☆★例会★☆ 11月26日(日)10時30分 吉祥寺シアター稽古場
来る26日(日)は既報の通り、元歌舞伎俳優・現在七々扇流家元、
七々扇花瑞王さんをゲストに、歌舞伎の話・立ち回りの演技について
お話してもらいます。舞台経験も豊富な方ですので楽しいお話がいっぱい
聞けるものと思います。
今回の例会は、あまり見たことの無い方にも超オススメのものと思います。

12月は、3日の予定でしたが、「藤盛会公演」で仁凰と一緒に踊ることに
なり、10日に変更になります。場所も武蔵野公会堂の和室です。
新年会に小唄振りの一つでも、日本舞踊の講習会です。
1分半ほどの「梅一輪」という小唄です。教材ビデオ・DVDも用意する予定です。
そして 1月は好評の「投扇興」新年会を予定しています。
(藤間 仁章)
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